法人税とは会社を法人=一個人とみなし、個人と同様に毎年国に納める国税の事をあらわします。
法人税とは、法人を一個人とみなして課税する税金のことじゃ。
会社を「法人」という名目で扱うのはこのような意味があるからなんじゃのお。
その為、会社の経営者は個人の給料でも税金を支払い、自分が所有する会社でも税金を支払うこととなる。
この税制が法人経営を難しくさせるポイントと言えるかもしれんのお。
独立を考える際は、これら基本的な会社個人にかかる税金について把握しておくことは基本中の基本と言えるのお。
法人税の税率は平成23年に行われた法人税改正に伴い従来の大法人と中小法人の所得額800万円超の法人税は一律30%から25.5%へ、中小法人の所得額800万円以下は軽減措置が据え置きで22%から19%へと軽減される事となっておる。
尚、この法人税は経費を差し引いた後の「利益」に対して課税されることとなる。
しかし法人税には一定条件を満たすケースに関しては、税金の軽減措置が講じられておる。
これは基本的に中小企業にあたる小規模な会社でも利益があがると30%もの法人税を支払っておったように、現実的に法人税の負担が大きい点が検討されておった為じゃ。
もちろん小規模の会社であっても利益が大きくなれば、税金はしっかり取られるのは当たり前であるとも言えるのぉ。
しかし、このような軽減措置制度を設けてもかつ、利益の大きい会社からはしっかり税金を課税させるために、政府は800万円以上の利益を得た企業に対して「累進課税制度」という制度を利用している点もひとつのポイントじゃ。
法人税の軽減措置制度は以下の2つの条件を満たすケースでのみ、軽減措置が適用となる。
資本金1億円以下のその年度の課税対象となる利益が800万円以下の見込みとなる法人はこの19%の法人税がベースとなる訳じゃ。
尚、更に平成23年に行われた法人税改正では、平成24年4月1日~平成27年3月31日までの開始事業年度に関して新たに軽減措置を設定し上記条件を満たしている場合は更に法人税の軽減措置の適用により19%⇒15%まで法人税が引き下げられる事が可決しておるのじゃよ。
改正後の法人税の大まかな概要を一覧表にまとめておくので一度チェックしておくと良いじゃろう。
【法人税率一覧表】 | ||
---|---|---|
資本金 | 所得 | 法人税率 |
1億円以上 | - | 25.5% |
1億円以下 | 800万円超 | 25.5% |
800万円以下 | 19%(※15%) |
※( )内の税率の適用は平成27年3月31日までの開始事業年度部分
2011年(平成23年)3月11日(金)に発生した東日本大震災の復興支援措置として法人税額が一律10%上乗せとする事が可決されました。
但し、この復興特別法人税に関しては平成24年4月1日~平成27年3月31日までの開始事業年度が対象であり一時的な措置となります。
ですから現在は既に期間終了に伴い復興特別法人税は廃止されております。
尚、復興特別法人税10%を上乗せした実質的な法人税額は以下のとおりです。
【復興特別法人税を含めた法人税率一覧表】 | ||
---|---|---|
資本金 | 所得 | 法人税率 |
1億円以上 | - | 28.05% |
1億円以下 | 800万円超 | 28.05% |
800万円以下 | 16.50% |
ここまでの解説を含め実質的に現在の時点における法人税の税率は平成27年3月31日までに限り一覧表の黄色部分の税率を納税する形になると覚えておきましょう。
では、ここで実際に法人税の算出方法を具体的な事例を元に見ていくこととしよう。
【例1:資本金500万円 課税対象利益700万円のケース】
このケースではまず、
★資本金が1億円以下⇒500万円
★課税対象利益が800万円以下⇒700万円
となっておるので両方とも軽減措置の条件を満たしておるのお。
その為、この事例のケースの計算式は
700万円×16.50%=1155000円
となり、法人税は115万5千円という事となる。
では、次に数値を変えたケースで見ていくことにしようかのお。
【例2:資本金7000万円 課税対象利益3000万円の場合】
このケースでは、「資本金が1億円以下⇒7000万円」で条件を満たしておるが、「課税対象利益が800万円以下⇒×3000万円」となっておるので、片方の条件は満たしておらんのお。
その為、このケースの計算式は
3000万円×28.05%=8415000円
となり、法人税は841万5000円となる。という気がするじゃろう。
しかし、資本金の条件を満たしておる以上は、800万円以下の部分に関してはやはり控除の適用を受けることが可能となる為、16.50%の税率で算出する事が可能。
法人税の計算ではここがひとつのポイントじゃ。
その為、このケースの計算方法は800万円以下の部分と残りの2200万円の部分の2つの計算を行い合算する必要がある。
計算式の流れとしては
①800万円×16.50%=1320000円
②2200万円×28.05%=6171000円
となり、続いて①と②の計算結果を合算し
③1320000円+6171000円=7491000円
となり、この金額を合算した749万1千円が今回の計算事例の法人が納税義務を負う法人税額となるのじゃな。