計算方法なび

計算方法なび♪では不動産所得の事業税の税率・住民税の計算方法がどのように算出されているのか?について初心者向きにイラストや図を用いてわかりやすく解説しております。

◆不動産所得税率・事業税の計算方法なび♪(もくじ)

◆不動産所得とは?

 不動産所得とは、その名の通り不動産物件の権利所有者が不動産に関する権利の貸付けを行う際に受け取る賃貸料や権利金の事です。

 法人や個人事業主として不動産投資事業を行なっている場合はもちろん、例えばサラリーマンが「投資用マンション」「賃貸アパート」、また親から相続した「賃貸駐車場」「コインパーキング」を保有しており、それらの不動産資産から収益を得ている場合は不動産所得として課税対象の所得として合算し税金を算出する事になります。

◆家賃収入から必要経費を差し引いた額が不動産所得

 不動産所得は所得税の計算方法の項目の、個人の所得とみなされる10種類の所得一覧表にある「C不動産所得=家賃収入など(必要経費を差し引いた額)」に該当する所得じゃ。

 その為、例えばサラリーマンで投資用不動産物件を保有しており、その不動産物件から収益を得ている場合は、会社からの給与とは別に「必要経費を差し引いた不動産所得」を計算し、給与と不動産所得を合算した金額に対して所得税と住民税が計算されることになる。

◆給与所得と不動産所得がある場合の計算事例

★サラリーマンで給与所得600万円、不動産所得192万円(必要経費92万円)の場合の個人所得の計算事例

 例えば給与所得が600万円の企業に務めるサラリーマンのケース。

 彼は親が保有していた4室の賃貸アパートを2年前に相続し形式上はサラリーマン兼大家さん、いわゆる兼業大家さんじゃ。

 尚、現在この賃貸アパート物件は1室4万円で賃貸契約が締結されており、毎月計16万円、年間192万円の賃貸収入を生み出しておるとする。

 また、今年度の年間必要経費は解りやすいように92万円、空室率などは考慮せず常時満室であるケースで計算をしてみるとしよう。

 まず今年度の彼個人の所得を計算すると以下のようになる。

※600万円(給与所得)+192万円(不動産所得)−92万円(必要経費)=700万円(個人の所得)

 前述したようにサラリーマン兼業大家さんの場合は、サラリーマンとして支給される「給与」と大家さんとして支払いを受ける「不動産所得(賃貸料)」を合算して個人のベースとなる所得額とする点がひとつのポイントじゃ。

 続いて彼はサラリーマンである事から給与所得控除の対象となる為、給与所得控除速算表を参照すると、660万円以上、1000万円に該当するため、彼の給与所得控除額は以下のようになる。

※700万円x10%+120万円=190万円

 ここでは、わかりやすいように「扶養控除」「配偶者控除」「社会保険料控除」等の各種控除の適用がない場合で算出すると彼個人に対する個人所得課税対象額は以下のようになる。

※700万円−190万円=510万円

 更に、給与所得者全員に認められている基礎控除額38万円を差し引くと以下の金額となる。

※510万円−38万円=472万円

 この算出された472万円が所得税と住民税の計算ベースとなる金額となるいう訳じゃ。

※事例では医療費控除・配偶者控除・社会保険料控除などの各種控除額を一切計算しておりません

◆事業税の対象となる事業的規模の規定と税率

 不動産所得は、前項でも解説した通り、基本的に個人の所得に合算して所得税や住民税の課税対象として算出される事になっておる。

 但し、一定規模を超える不動産物件を保有している場合は、税法上、本格的な不動産貸付業として取り扱われるようになっており税率も異なってくる為、注意が必要じゃ。

事業的規模となる5棟10部屋基準【画像】

 事業的規模としてみなされるかどうかの基準の原則は5棟10部屋基準によって判断される事になっておる。

 この原則というのは地方公共団体によっては、5棟10部屋基準ではなく「年間の賃貸収入総額」「賃貸物件全ての総貸付面積」によって事業的規模としての判断を行う地域もあるためじゃ。

 尚、事業的規模とみなされ、不動産所得に個人事税が生じる場合は、事業税の項にある第1種事業の不動産貸付業に該当し税率は5%となっておる。

※第1種事業・不動産賃貸業の税率は5%

 尚、この5棟10部屋基準は個人が保有する全ての賃貸物件に対して判断がなされるため、例えば、前項の例であげた4室の賃貸アパートの他に、6室の賃貸アパートを保有している場合は計10室となるため、基準を満たし事業的規模とみなされる事になる。

 同様に8室の賃貸アパートと、2棟の一戸建て賃貸物件を保有している場合も計10室とみなされる為、独立家屋が5棟未満であっても「10室基準」を満たすため、やはり事業的規模とみなされる点がポイントじゃ。

◆不動産所得とみなされる項目

 税法上、不動産所得としてみなされるものは、家賃収入だけではなく、原則として不動産権利に付随する収入は全て不動産所得として考慮する必要がある。

 例えば、賃貸用マンションや中規模以上の賃貸アパートでは「共益費」という名目で賃貸料以外の共益部分に関する費用を徴収するケースがある。

 仮に「ゴミ置き場清掃費用」など名目上は共益費と記載されていない費用であったとしても、これら共益部分に対して発生する費用は全て原則として不動産所得として計上する事が義務付けられておるのじゃ。

 また、敷金、礼金、保証金などの一時金の中でも契約上返還を必要としない費用に関しては、これらは全て不動産所得として計上する必要があるのぉ。

不動産所得とみなされる項目一覧【画像】

 この他、借地権物件を保有しており、借地権土地上の建築物の改築や増築を行う際等に発生する「承諾料」等に関しても承諾料という性質上、返還が求められることのない費用である為、不動産所得として計上する必要があるのじゃよ。

◆65万円控除の適用を受けるには?

 5棟10部屋基準を超える事業的規模で不動産経営を行う事を考えている場合は、青色申告特別控除の申請を行うことで65万円の所得税控除を受ける事が可能となっておる為、必ず覚えておくと良いじゃろう。

 税法上、青色申告を行うことができる者は不動産所得・事業所得・山林所得のあるものとなっておる。

 尚、65万円控除の適用を受ける事ができる条件は、5棟10部屋基準を超える事業的規模であり、かつ複式簿記による経理を行った場合に青色申告特別控除を受けることが可能となるのじゃ。

※青色申告特別控除申請をしていない場合は複式簿記で記帳を行った場合でも白色申告とみなし10万円の控除となります

◆必要経費を計上し適切な節税をする方法

 不動産所得を5棟10部屋基準を超える事業的規模で行い、かつ前項で解説した青色申告による複式簿記で経理業務を行う場合には、必要経費として扱える項目が増えるため大きなメリットが生まれます。

 まず、事業規模で不動産経営を行う場合は、業務に携わる従業員に対する給与である「青色専従者給与」を必要経費として損金扱いとすることが可能です。

 また、事業的規模とみなされた賃貸不動産物件を建て替えする場合の、「取壊し損失」は全額必要経費として計上する事が可能です。

 この他、延納で納税を行うケースでは、延納部分に生じる利子税についても不動産所得部分に発生する利子税に関しては全額必要経費となります。

 これらは全て「青色申告」を行うことによって得られる利点ですが、不動産経営を視野に入れている方の場合は必要経費として計上できる項目は最大限に活用し適切な節税を行うことも重要です。